東京都千代田区の有限会社遠藤印刷の遠藤です。
本記事では、「再生紙ってよく聞くけど、普通の紙となにが違うの?」「エコにはいいっていうけど、使いづらそう…」
そんな疑問をお持ちの方へ、今回は再生紙の基本からメリット・デメリット、そして活用例まで、初心者にもわかりやすく解説していきます。
1.再生紙とは?
再生紙とは、一度使用された紙(古紙)を回収・リサイクルして、もう一度紙として生まれ変わらせたものです。例えば、新聞紙やコピー用紙、クラフト紙などが再利用され、新たな紙製品として再び使えるようになります。
再生紙は資源の有効活用や環境保護の観点から注目されており、日本をはじめ多くの国で導入が進んでいます。
2.再生紙のメリット
Ⅰ. 資源の有効活用ができる
再生紙の大きなメリットのひとつは、限りある木材資源を無駄なく使えることです。新しい紙を作るには木を伐採してパルプを作る必要がありますが、再生紙なら古紙を再利用できるため、森林への負担を減らすことができます。
また、ゴミとして処分されるはずだった紙を資源として再利用できるため、廃棄物の削減にもつながります。
出典:環境省|再生紙の活用
Ⅱ. 森林伐採の抑制につながる
再生紙を使うことで、パルプ材としての木材使用量を減らすことができ、結果として森林伐採の抑制につながります。これは気候変動や生物多様性保全にも大きな意味を持ちます。
日本は古紙回収率・利用率が世界トップクラスであり、リサイクルを通じて世界の森林保全にも貢献しているといえるでしょう。
Ⅲ. 環境意識のアピールになる
企業や団体が再生紙を積極的に採用することで、社会的な「エコ意識」の高さを示すことができます。CSR活動やSDGsの一環としても、再生紙の使用は有効です。
3.再生紙のデメリット
1. 耐久性がやや劣る
再生紙は、一度使われた紙を繊維に戻して再加工するため、紙の繊維が短くなり、非再生紙に比べて強度が落ちることがあります。特に何度も折り曲げたりする用途には不向きな場合もあります。
近年では、強度を担保するための材料を混ぜ込んでおりた耐久性は向上傾向にあります。
2. 紙粉が出やすい
繊維が細かくなっているため、コピー機などで使用すると紙粉(かみこな)が出やすく、紙詰まりなどの原因になることもあります。
3. 見た目や書き心地にばらつきがある
再生紙は原料の古紙の種類や品質によって、色合いや質感にばらつきが生じやすいです。また、表面がややざらついていることが多く、ペンや鉛筆の走りが滑らかでないと感じる人もいるかもしれません。
4. インクの斑点が残ることもある
印刷済みの古紙を再利用するため、脱インク処理(脱墨)をしても、わずかにインクが残ってしまうことがあり、表面に小さな斑点が現れる場合もあります。
4.まとめ
再生紙は、限りある資源を守りながら使える、環境にやさしい紙です。もちろん多少のデメリットはありますが、その風合いややさしい印象が「再生紙ならではの味わい」として活かされるケースも増えています。
「エコに貢献したい」「企業イメージを高めたい」「環境に配慮した製品を使いたい」そんな方は、ぜひ再生紙の活用を検討してみてください。